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抗生物質の話

 今年も猛威をふるった風邪の季節がやっとすぎました。2〜3日で治った風邪だったでしょうか? のどやリンパ腺が腫れて痛かったり、またひどい咳と色の濃い痰が出たり、熱がなかなかひかないで抗生物質をのまれた方も多いのではないでしょうか。
 抗生物質は細菌を殺す薬です。ですからインフルエンザやヴィルスでおこるふつうの風邪には効果がありません。ヴィルスで身体が弱っているときにつけ込んで侵入してくる細菌・気管支炎・肺炎などにこそ効果的です。また、ほとんど大腸菌が原因のことが多い膀胱炎、細菌性の胃腸炎などでも抗生物質は大事な治療薬です。
 しかし、病原菌(病気の原因となる細菌)を殺すはずの抗生物質が、時として身体に必要な細菌も一緒に殺してしまうと、ビタミンを産出したり、お腹の調子を整えたりすることができなくなって、下痢がおきることがあります。また体内に住み着いて共生関係をつくっている細菌がいなくなると抗生物質では死なないカビが繁殖してもっと厄介になることもあります。つまり、抗生物質がからだの自然な共生関係をくずしてしまったのです(菌交代現象)。
 また、病原菌を殺すために必要な抗生物質をいい加減に中断すると、生き残った細菌がさらに強くなって同じ抗生物質が効きにくくなることもあります(耐性菌)。
 抗生物質ならなんでもどんな細菌でも殺すことができるのではありません。細菌の種類によって、症状・経過・感染した場所によって選んで使い分けます。特に結核菌は特別で、決まった薬剤しか効きません。短期集中的に使う薬剤、長期間続ける薬剤など病気の種類と抗生物質の使い方は複雑です。
 誰かにもらった薬をのまない。少し良くなったからと勝手にやめてしまわない。アレルギーや副作用があれば、薬をもらった医師に言う。そしてその薬の名前を覚えておきましょう。効果や副作用によって薬は変更されます。次に医療機関を訪れる時にはそれまでの薬をもっていく(薬の名前だけでも)ことにしていただければ、適切な抗生物質が選ばれるために非常に参考になるでしょう。

「宮っ子」「与喜子の健康講座」より

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