医療法人 樹徳会 上ヶ原病院 地域と深く開かれた医療機関をめざして
 
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役に立たない生産装置?です

 少子化が進む中、某厚生労働大臣の発言に国会が振り回され、日本中の女性が一時不快感をあらわに感じた事をまだお忘れではないと思います…発言の一言一言をつっこみ、本題の論議が少しも進展していかないのは国会という場のいつもながらの手法なのでしょうけれど、今回も「生む機械」というお粗末な喩えにみえた発想の貧弱さにことさらがっかりしました。女性の数は決まっているのだから、一人一人ががんばって生む数を増やせばいいのですって。  国家試験に合格する医者の数は決まっている。だったら一人一人が頑張って、仕事の量を増やせばいいのでしょうね。産科であろうが、救急であろうが、システムを考えることなく、給料増やすから頑張れ…と言う発想。あちこちから悲鳴が聞こえています。看護師の数も決まっているから一人一人が頑張って…ならいいのですが、こちらはシステムを先に作ったものですから、集められるところには大勢集めてゆったり働き、小さいところはもっともっと頑張ってもらって、そのうち悲鳴が聞こえてくるにちがいありません。いえ、悲鳴をあげる前にどこかへいってしまったかも…・(聞こえる悲鳴は院長のでした)。  人の価値観、発想は時代とともに変化します。女性が生めよ増やせよで満足し、それが評価されていた時代。男は度胸、女は愛嬌。男は外で頑張って女は内助の功。そんな時代にだって内気な男性やゴッツイ女がいたでしょうけれど。医師が自らをかえりみず報酬を望まず病人を助けたいという信念から、医療に、医学に携わっていた時代があったからこそ、医師の社会的評価は高く、職業としての魅力も最高のものであったと思われます。そんな時代には医師を訴求するなど考えられないはずでした。医師もその期待に応えるべく頑張っていたのです。現状は如何に。勉強できるものは医学部へという予備校の発想。医師なら食いっぱぐれはない、適当な贅沢ができるだろうという安易な発想では苦しんでいる患者さんを心を込めて診療することができるでしょうか。問題起こしたらやばいよ。訴えられないように適当なところでやめとこう。消極的な考えが先に立って患者さんの立場にたつことができるのでしょうか。それとも、なにかかっこいいことを発表してやろうと、意気余ってデーターねつ造や、倫理に反する研究的医療をしてしまったり…どこか空回りしているような気がしてなりません。  国家試験合格3割以上を占める女性医師は医師不足を解消する切り札のように思われているようですが、「一人一人ががんばれよ」ではやりきれませんよ。 やる気のある女性医師は厚生労働大臣が考えるほど遊んではいません。女性であれ、男性であれ一人一人の医師がやる気をもてる社会的評価も必要です。  女性医師である私、個人的には人口増加に貢献せず、たった一人の旦那の内助の功はとんでもなく(外助の功です!)、また増加する高齢者の患者さんのために尽くし、元気に長生きしましょうと激励し、なんと 身をもって少子高齢化に多大な貢献をしているものでございます。厚生労働省から大目玉くるでしょうか…

兵庫県私立病院協会会報より

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