2006.07.01

医師会の働き 西宮市医師会会報「談話室」 2006年7月号

医師会の働き

  菊池英彰会長のもとに副会長の末席を拝命し早4ヶ月が過ぎました。これまでの3期を理事として医師会の仕事に携わってきたものの、時に「医師会って何 やっているかわからない」という声、また新規開業の医師会入会躊躇の傾向もあり、今更あえて書くまでもないことなのですが医師会の働きについて私なりに考 えることを記したいと思います。

 医師会の動きは様々な機会に発信されています。医師会名簿の最初の方の数ページをゆっくり見てください。また総会議事、談話室の後ろの理事会メモ、 等々。さて医師会がなかったとしたら、例えば健診事業…もちろん個別の健診も可能ですが各々の医師が個人で対応すれば健診の精度がバラバラになるに違いあ りません。また委託された医師は健診専門日を作らないことには日常診療が滞ることにもなりかねません。ユーザー(会員)の利便性を最優先した検査セン ター。時代とともに数々の問題を抱えながらも50年の歴史を誇る看護学校事業。いずれも西宮市の地域医療のレベルを担保する重要な存在です。

 次に各委員会、年度ごとの諮問・答申の繰り返し、お役所みたいだとの声も聞こえますが時代に応じた医師会活動の原点ではないかと思います。現在14委員 会に80名以上の会員が参加くださり、医師会として何をすべきか、一人の医師ではできない事を、一人では思いつかないようなアイデアも、一人では届かない 声を医師会員自らに、また西宮市に、地域住民に向けて発信しているのです。その目的はどれも、地域住民の健康、疾病の予防、治療と管理。また我々医師自身 のあらゆる面での向上をめざしています。時代とともに、委員会の種類も内容も変わってきています。毎年発行される「答申書」は各委員会の結晶です。いつで も皆さんの新しいアイデアをお待ちしています。

 時に医師会は市立だったかと思うくらい多くの西宮市の仕事を請け負っています。例えば予防接種やX歳児健診などの乳幼児保健。学校医を通じての学校保険 に、障害者や介護保険に、企業の産業保険に関わること、警察、消防、防災に関わること、おまつりや国体など行事への協力。市民向けの各種健康講座…枚挙に いとまがありません。当然、西宮市民の生活に密着した医師の集まりなので当然の事とはいえ。健康、福祉に関わる市の企画には必ず参画し、専門家として意見 することで社会貢献しています。どういうわけか、「医師会」といえば利益追求団体か権利意識のかたまりのように思われがちなのですが、保健行政や医療に関 して公正な判断を示すことによってこそ我々医師の価値が評価されるのかと思われます。もちろん歯科医師、薬剤師他の医療団体との協力も欠かせません。外と の関わりは西宮市だけではなく、もちろん県、を超えても拡がりを持つことも多々あります。幅広い分野に於いて医師会は機能しています。

 もう一つ、医師会は診療所医師の集まりと思われがちですが病院また老健施設を忘れてはなりません。B会員を多数擁する病院群は医師会に於いて大きな力で あります。県医師会には勤務医部会がありますが、西宮市医師会では病院部会においてその任を果たそうとしています。病院との双方向の情報、意見交換によ り、病院も診療所医師と一緒に西宮市の医療の維持向上をめざしています。

 科を超えた、経験を超えた、地域を越えた、そして診療所、病院などの形を超えた医師同士の繋がりは、医師会がその場を提供し連携を促進しています。医師 会を通じて知り合い、その医師たちから学んだことは限りないものがあります。まだまだこれからも…です。  西宮市医師会の働き、とてもここには書ききれませんがもっともっと多くの会員とこれから開業される方々に医師会の良さを知っていただき利用していただけ れば嬉しいと思います。そのためにも、この月刊談話室を大いに役立てていただけることと信じて稿を終えます。

西宮市医師会会報「談話室」より

 

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