放射線障害専門外来


放射線障害専門外来を開設しました!

がん治療の4本柱(手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)の一つである放射線療法ですが、落とし穴がありました。
がんを克服したにも関わらず、忘れた頃にやってくる、放射線治療の後遺症(晩期障害)が見られるようになってきたのです。その発生率は低いものの、いったん障害が出てくると治癒が難しくいつまでも苦しい症状が残ってしまうこともあります。
その原因は、がん細胞をやっつける放射線が周囲の正常細胞のDNA(遺伝情報)を傷つけるからです。この傷は代々、細胞から細胞へと引き継がれるため、障害がいつまでも残ります。「放射線障害は治らないよ」といわれるのはこのためです。また放射線治療後何年経っても発症する可能性はゼロではありません。
がんの種類によって、がんの大きさや場所によって、放射線の種類や当たり方によってさまざまな臓器に起こります。毛細血管の障害が原因であることが多く、それぞれの臓器の酸素欠乏、低栄養状態、と細菌感染が原因であることが多いです。
そこで、高気圧酸素治療(HBO)の出番です。
血管が障害された組織への高濃度の酸素供給で、組織には活性化を促し、障害を受けた組織の回復を促進します。また、細菌に対しては毒性を発揮します。

2010年から放射線治療専門医とともに高気圧酸素治療を開始し、かなりの経験を積み、出血性膀胱炎や出血性直腸炎、上顎や下顎の骨髄炎など様々な放射線障害で症状の回復された方を何人も見届けてきました。

今後もこの専門外来で放射線障害に苦しむ多くの方達の治療のお手伝いをしたいと思っています。

担当:
丹羽康江(にわやすえ)
 日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
 日本高気圧環境・潜水医学会 高気圧医学専門医

朴成哲(ぱくそんちょる)
 日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医

・ 完全予約制    水曜日 午後1時30分 ~ 5時(受付は4時30分まで)
・ 診療情報提供書、資料(放射線治療情報、その他の治療歴などを含む)を事前にお送りくださると診療が
    スムーズに行えます。

写真:高気圧酸素治療室内にて

高気圧酸素治療室については、こちらからどうぞ。
http://www.uegahara.net/oxygen/

ページ先頭へ