2016.10.01

「医師資格証」               西宮市医師会会報 《談話室》 2016年10月号

 「シュウッ・・」講演会の受付で、兵庫県医師会カードを気持ち良く通して生涯教育の単位が貯まっていきました。けれど、これからは「ピロロン・・」です。やっとなじんできた兵庫県医師会カードはお役御免となり機能停止。これからは日本医師会発行の医師資格証がとって変わります。

 東日本大震災の時に、応援に駆けつけた医師がのちに偽医者だったと告発された事件がありました。飛行機や電車の中で医師はいませんかとの呼びかけに、「医師です」と出て行っても、赤い髪の毛、派手な服装の女では「ほんまかいな」と却って不安をつのらせることがあるかもしれません。ビシッとネクタイで決めたグレイヘアの男性の方が例え偽医者でも信用されるかも〜冗談はさておき、そんな現実での医師の身分証明としてもこれまでにはなかったものです。災害援助に集まったお互い知らないどうしの医師たちでも少しは信用する基準になります。

 個人情報の保護がますます厳しくなる一方、医療と介護の連携とうたって、患者情報を簡単に共有しようとする動きも活発です。医療情報は究極の個人情報。情報の共有は重要ですが、簡単便利の裏には筒抜けの情報漏洩や興味本位の情報など、問題は山積みです。前回お話ししたh-Anshinむこネット患者情報共有システムにも十分なセキュリティーの確保がされています。今の所まだ日本医師会が認証するHPKIを利用しての電子署名には対応していないのですが、この医師資格証が普及するのと並行して認証システムの導入を計画しています。HPKIとは保健医療福祉分野の公開鍵基盤(Healthcare Public Key Infrastructure)の略称です。厚生労働省が推奨する認証基盤です。医師資格証はネットワーク上で医師の資格を証明するための電子証明書を発行します。この電子証明書はICカードのICチップの中に格納され、電子的な医師の印鑑の機能やログイン時の医師資格確認のために利用することができます。

 ITオタクでない私はどういう機序でそんな証明が可能なのかはあまりわかっていないのですが、日本医師会の電子認証センターにおいて管理され、これからの医療と福祉の連携に、日本国で医師として活動するために、日本医師会会員であろうとなかろうと、医師免許証だけではなくこの医師資格証が必要になってくる場面が増えることは間違いありませ
ん。西宮市医師会でも発行手続きを代行することができます。申請書類、必要なもの(医師免許証、写真、運転免許証など)や申請の流れなどは日本医師会 電子認証センターのHPをご覧下さい。

http://www.jmaca.med.or.jp/application/index.html

 医師資格証の動画はこちら

http://www.jmaca.med.or.jp/guide/qualification.html

 「この資格証が目に入らぬか〜」という裏側に責任を持った医師としての行動をとるための前提として、全会員が医師資格証を持っていただきたいものです。そして、カードリーダーを備えた生涯教育の講演会、研究会が増え、「ピロロン」と改札口を通る感覚でらくらく登録しましょう。

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