2006.10.01

「暑さにからだが慣れました?」 宮っ子 2006年9・10月号掲載

暑さにからだが慣れました?

  やっと暑さに体が慣れた頃ですが「もうそろそろ暑い夏も終わってほしいかな」とぼやいている方も多いかと思います。夏は汗をかいて温度調節。体温が上が りすぎないように、体の表面で水を蒸発させて温度を下げていたのです。まさに庭に水をうち涼をよぶのと同じですね。汗をかいているときのうちわが気持ちい いのも納得です。

 さて人間の体の60%は水分でできています。体重50キロの人では約30キロ分は水。その水分にナトリウム、カリウム、カルシウムなどの塩分が溶けてい るのです。細胞の内側にある水と血液のように細胞の外側にある水、それぞれ塩分の種類や至適量は異なり、また水とともに外と中を移動することによって、細 胞がエネルギーを作ったり出したり、汗をかいた後の補給や血圧の調節などを行っています。汗をたくさんかいた時にはナトリウムが、お腹を壊して水分が減っ た時、ビールなどで尿がたくさん出た時にはカリウムが多く失われます。それに伴って血液の酸アルカリ度が変化するなど、私たちの体は自然に上手に調節でき ています。体が上手に調節しやすいように失ったものの補給を意識的にしてあげましょう。水分だけでなく時にはナトリウム(塩)やカリウム(果物など)など 補給するべきものも違うのです。また血圧の薬の中にはこれらの塩分を増やしたり減らしたりする種類のものがありますので注意が必要です。

 また水分全体をみると、細胞の中と外、血管の中と外のバランスも大事な要素です。お酒を飲んだ翌朝に目の周りが腫れぼったいとか、夕方になったら足がむ くんで靴がきついなど経験した方も多いことと思います。それは水分全体の量もですが、水のある場所が偏っているのです。水の調節は大きくは心臓、血管、腎 臓、大腸などで、細かくは細胞の一つ一つが、量と内容だけでなく、あるべき場所さえ、うまく調節しているのです。人は60%が水、特に脳は80%。いかに みずみずしいことが必要か…。  夏の暑さで失った大事な水を上手に補給し実りの秋を迎えることにいたしましょう。

「宮っ子」「みみより 健康にいい話」より

 

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