病院めぐり 第2段
上ヶ原の坂道をハアハアいいながら、車なら1‐2速落として登りついた所に建っている病院らしくない建物。それが上ヶ原病院です。天井が高く、広 い空間を感じるロビーに大きな緑が一本。ときどきスズメが間違って憩いに入ってきます。自転車置き場の天井には毎年ツバメが子育てをします。このような自 然の残る西宮の高台の療養環境抜群の病院です。ハアハアいって辿り着いてもホッと安心していただけます。
病棟紹介
急性期一般病床59床、（無菌室2床、準無菌室3床、準無菌室対応可集中治療室2）手術室。高気圧酸素治療室。このフロアは血液疾患に対する幹細胞移植 までの専門的治療。その他化学療法を要する悪性腫瘍性疾患を主とし、糖尿病の検査、教育入院。上部、下部消化管の検査入院と治療。リウマチ他膠原病の検査 と治療。脳梗塞急性期の内科的治療と早期リハビリテーション。熱性疾患。その他入院を必要とする一般内科的疾患を管理します。 慢性期療養型病床57床、このフロアでは脳血管障害後遺症やパーキンソン症候群のリハビリテーションを中心とした治療を主とし、骨粗鬆症、手術適応のな い骨折の疼痛に対する管理、末期癌に対しては緩和ケアを行います。
外来紹介
内科専門外来としては、血液・免疫（大江、川本他）リウマチ（波多野）、甲状腺・糖尿病（末廣）、と大腸疾患の専門医（樋田：非常勤：兵庫医大4内科） を配しています。連日の外科外来（志田）は内科の力強いバックアップを、小児科、整形外科、眼科、歯科口腔外科と、週1回だけですが理事長による精神神経 科は地域の方々へのサービス部門として機能しています。歯科、精神科と検査以外は原則として予約制にはしていません。
上ヶ原病院の西宮市医師会における役割
①血液疾患に関する診断と治療。最近高齢化に従って増加しつつある骨髄異形成症候群。マルクだけのご依頼でも外来でその日に行えます。わけもなくリンパ 節が腫れている・・・悪性リンパ腫も増加しつつある疾患のひとつです。生検前でも後でも生検するかどうか迷うときご依頼下さい。血小板数の異常、出血傾向 その他急性慢性の血液疾患が疑われる時、急性であれば、実に緊急を要します。ベッドをあけてお待ちします。
②糖尿病、高血圧など慢性疾患でコントロールが狂ってきた。インスリンの導入時、日内変動、食事療法の意識付けなど長期に観察中の患者様の再コントロール時にベッドを提供いたします。
③急性内科疾患、すぐ入院治療が必要な時のベッド
④上下部消化管検査でもゆっくり入院でとおっしゃる方。
⑤在宅で診ている患者様の急変時、家族が在宅に疲れたとき、または主治医の先生が毎日の往診でばてそうなとき。たまにはいろいろ検査でもしようかと思われたとき。など、在宅患者様の一時的入院にも使ってください。
⑥手術その他急性期治療終了後の回復期リハビリテーションは患者様の在宅へ向けての練習です。家で介護される方も積極的に参加していただき、退院された後までも良好なQOLが保たれるための援助ができたらと願っています。
⑦末期の癌、老人などターミナルケアはなるべく家でとのご希望も多い昨今ですが、ご自身とご家族に合わせたターミナルケアを計画し、演出していきます。ご家族にも安心していただけるような「臨終」を提供することも私達の仕事と考えます。
⑧救急医療は現在内科一次救急当番にはいっていますが入院が必要となる救急患者様も受け入れ可能です。またほとんどが常勤医の当直であり当番日以外でも診療、入院のご相談には応じます。
⑨上ヶ原の地域医療 上ヶ原は小学校2校、中学校1校を抱えた地域であるにもかかわらず、上ヶ原地区はなかなか新規開業の少ないところです。冒頭に書い たように坂道の多い地形のせいであろうかとは思われますが、住環境としては良いため地域の人口は増加しています。病院とはいえこの地域においてはファミ リードクター的役割もはたさねばならず、各医師は研鑽を積み、当院の守備範囲を超えるものについては他病院、先生方のご援助をお願いしています。
ご紹介いただく場合
当院には地域医療連携室なるものは整備していません。そのかわり、医師全員が院内ＰＨＳで管理されており、外線電話もすぐにお繋ぎすることができます。急 な患者様の場合は、直接医師にご連絡下さい。どの医師も応対いたします。急ぎでなければ前ぶれ無くても情報持参にて外来受診の形で入院相談をさせていただ きます。医師指定の場合は担当日時をご確認いただければ確実です。医療ソーシャルワーカー2名が、いろいろな社会的背景などのご相談にも応じます。ケアマ ネージャーもありますので、介護保険がからむものも対応できます。
地域の方々にはもちろん、医師会の先生方に上ヶ原病院のベッドを自分のベッドのつもりで気軽に使っていただけたら嬉しいです。
西宮市医師会会報「談話室」より
