2000.09.26

「毎日骨太」宮っ子「与喜子の健康講座」2000年9月号掲載

 残念なことにもう飲めなくなってしまいましたが、実は私もファンでした。牛乳は、喉越しおいしいだけでなく、カルシウムの供給源として高く評価され、それに応える乳業者もカルシウムを強調したネーミングで人気を得ていたようです。
 カルシウムは体を作る元素の中で5番目に多く、その99%が骨として蓄えられています。お年寄りが寝返りをうっただけで骨折したり、転んだ覚えがないの に背中が痛く、背骨がひしゃげていたりするのは骨粗しょう症といって骨のカルシウムが不足し、骨がもろくなっていたためです。最近では若い人でも、簡単に 骨折するような「骨細そ」の小中学生が増えているそうです。
 骨粗しょう症の予防はまずカルシウムを十分摂ること。それが牛乳、小魚です。日本人は欧米に比べてカルシウムの摂取量が少なく、一日最低600mgは摂 りたいものです(2500mgまでは害がありません)。しかし、摂取したカルシウムをしっかり吸収し骨にするためには、まだまだ大事な要素があります。ま ず、日光。カルシウムの吸収を助けるのに大事なビタミンDが日光浴で活性化されます。次に運動。適度な運動は骨の新陳代謝を活発にし骨にカルシウムが定着 するのを助けます。そしてマイナス要素は喫煙とアルコール。カルシウムの吸収を悪くするからです。
 また、骨粗しょう症は女性に多い病気ですが、特に閉経後はカルシウム吸収に大事なエストロゲンというホルモンが減少するので骨粗しょう症が急速に進みま す。腎臓が悪くなってもカルシウムの管理がうまくいきません。その他、カルシウム不足が動脈硬化や糖尿病、癌の進行にも悪い影響を及ぼしていることもわ かってきています。
 骨粗しょう症で足の付け根や、背骨が折れたら、寝たきりになるしかない。そうなってからでは日光浴や運動なんてできませんよ。真夏の日差しも少しはしの ぎやすくなってきました。さあ、散歩に出かけて骨を鍛えましょう。牛乳飲んで、毎日 骨太。

「宮っ子」「与喜子の健康講座」より

 

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